「ぶっ倒れたんだろ?桃から聞いた」
「あ、でももう大丈夫!だと思う…」
「無理すんな」
「え、いや全然!」
風間くんはフゥーっとため息をつきながらベッドの横のイスに腰掛けた。
あ、そうだ、はちみつレモン!
風間くんちょうど疲れてるみたいだしタイミングいい!
あたしは大島先輩が持ってきてくれたであろうバッグからはちみつレモンが入ったタッパーを出した。
「風間くん!疲れた身体にこれっ!」
「あ?はちみつレモン?」
「うん!作ってきたの!よかったら食べて!!」
「おう、じゃあもらう」
風間くんはタッパーからレモンを一枚つまんで口に入れた。
味大丈夫かな?一応食べてみて美味しかったから大丈夫だと思うけど。
「うん、うめぇぞ」
「本当っ?!良かった!」
「おう……」
なんでだろう。
なんでさっきから風間くん、時折ボーッとするんだろう。
それにいつもよりとびきり優しい。
いつもはこんなことないくらいシャッキリしてるのに。
もしかしてもしかしなくても、あたし迷惑だよね。
「風間くん。あ、あのね…」
いつも突っ走って恋愛はことごとく失敗してきたあたし。
でも風間くんとはずっと一緒にいたい。
今までみたいに失敗したくない。
「あのね、ごめんっ!!」
「は?」
「いつも突っ走るくせがあってこうやって迷惑かけて…」
本当は今すぐにでも風間くんに抱きつきたいくらいの気持ちだけどでも抑えて。
「ふはっ」
