恋、全速力。




だってもう終わっちゃう…。


風間くんに会いたい。




「風間には桃が伝えてくれてる。お前が来てること」




それじゃ意味ないよ。




「もー…、あたしのバカ……」

「おい、もう泣き止めよ。お前のせいじゃねーしさ」

「初めてのデート失敗した気分…」

「いや、大げさだろ」




あたし、なんかバカだなぁ。なんか情けないなぁ。



空回りしてさ。



あたしは隣に座る大島先輩の腕を意味もなくバシバシ叩いた。


悔しいから。




「おいっ」

「きゃっ!」




突然、シャッと周りのカーテンが開けられた。



風間くんに。



あたしはびっくりして思わず声が出てしまった。



な、なんで風間くん?!まさか来て来て来て来てくれたの?!



あたしはササッとクシャッとなった前髪を直した。




「おおっ!風間ー!」

「大島さん?」

「元気かおいっ!」

「はぁ、まぁ、大島さんは相変わらずっスね」

「あ、おいテメェ今頭の中でうぜーこと考えただろ!」




何週間かぶりの風間くんが目の前に。