恋、全速力。




「でも、うん。あいつはうまいよバスケ」

「じゃあ、試合楽しみ!」




そう、ここでバスケについて勉強してきた成果を発揮しなきゃ!周りの女どもに負けないようにね。



ていうか、さっきから…




「ねぇ、あの人かっこよくない?」

「そう!それ思った!」




周りの女達、完全に大島先輩のことかっこいいとか言ってるんですけどー。


もう、なんなのよ!




「あ?どうした春子?」

「あんたが目立ってどうすんのよぉぉ!」

「いたい!痛い痛い!」




風間くんのキラキラがあんたのせいでかすむじゃないのよ!という気持ちを込めて大島先輩の頭を拳でグリグリした。



そういえばこの人も何気にモテるんだったね。前にクラスの女友達が騒いでた気がする。




「あ、見て!出て来たよ!」

「えっ?!」




桃ちゃんの声にすかさず反応し、コートを見た。



ゾロゾロと出てきた選手達はアップを開始している。



その中……あ、いた。




「風間くんだ……」




何週間かぶりに風間くんを見た。しかも練習着姿…。



あー、レイアップ?だよね?風間くんの動き、超綺麗…。



鼓動がドキドキ加速した。




「ねぇ、どうしよ…。かっこいい…」

「おっおい、春子?顔赤いぞ?」




呟くと大島先輩に顔をのぞき込まれた。


その瞬間、あたしはフラフラっとゆっくり倒れていった。



え、なんか身体がだるい…。


どうしたんだろ…。