「大島先輩、さっそくお願いなんだけどね？」
「おう？」
「あたしにバスケ教えて？」
「お、おいまじか」
まじです。
あたし、バスケの何もかもを知りません。
「基礎から？」
「基礎から」
体育の授業でちょっとやるくらいで、技の名前とか全然分からなかった。
試合でちゃんと応援できるように少しは知識がないとね。
「じゃあ授業料、ちゅーして」
「キモい」
バカ。
ていうか、このくだり似たようなこと風間くんとやったなぁ。
あ、立場は逆でね。
「お前な、一応俺は先輩だぞ？冗談くらい付き合えよ！キモいっておいっ！」
「冗談に聞こえないから」
「あは、確かにぃ！大島ちゃんチャラいし」
「ああっ？！俺、全然軽くねーよー！毎回真剣に付き合ってるし！」
「大島先輩、なにムキになってるのよ」
「そーだよぉ！もう分かりきってることなんだから諦めなよぉ」
「お前ら、いじめんな…」
大島先輩は両手で顔をおさえてウソ泣きをした。
