「大島ちゃん、この2人をくっつけるにはどうしたらいいかなぁ?」




その人に聞いても良いアイデアは返ってこない気がするけど。



だって、バカだし。



そんなバカはニッコリ微笑んで言った。




「まぁ、簡単に言えばアイツからバスケを取り上げる、とか?」




バスケを、取り上げる……?


あの風間くんからバスケを取り上げるって…。




「無理無理無理だよーっ!」




あたしが難しいかなって言おうとしたら桃ちゃんの高い声に遮られた。



てか、む、無理って何?!


やってみなきゃ分からないじゃん!




「でもさ春子なら意外と行けるんじゃねーの?しぶとそうだし…。あ、付き合えるか付き合えないかは別だぞー?」




バスケを取り上げるっていうか、風間くんにとってバスケより大事な存在になるってことよね。



そうだ、やってみるしかないよ!


あたしはよしっと気合いを入れた。




「おぉっ、まじでやる気か…?」

「当たり前!頑張るからあたし!」

「春子っち!あたし応援する~!」




桃ちゃんはそう言って力の限りきつく抱きしめてきた。



あ、意外と桃ちゃんってプニプニした身体なんだね。


って、今はそんなこといいわ!今は風間くんのこと考えなくちゃ!




「よーし、春子と風間が付き合えたら俺がご馳走してやろー!」

「えっ?!うそ、やったー!」

「それって、あたしの分も入ってるのかなあ?」

「はあ?お前いつもいつも何かと便乗してくるよなー」

「えへっ」