『もしもし元気にしてる?』

久々にかける電話
第一声は君から

『元気だよ』

そう言う君はどこか上の空で
君のとこ行きたくなるじゃん

『君こそ元気にやってるのかい?』

不思議な口調の君の問いに

『当たり前じゃん!』

生意気に答えるんだ

『君に会いたいよ』

ふともらしてしまう言葉
君を困らせるだけなのに

『いつかまた会えるさ』

君はそう気にも留めてないようで
寂しいのは私だけ?
もっと寂しくなっちゃうじゃん

『もういい』

そう言って一方的に切った電話
本当は素直になりたいだけなのに
"寂しい"って伝えたいだけなのに

『本当は、寂しいんだよ』

言いたくても言えない
ただそのひとこと
君を奪われたくないよ

見知らぬ女の声が受話器越し
『浮気してるの?』
今日は秋晴れ
聞こえないふり