「………や…び…


みやび!朝だぞ」




「…ん……もうちょっと……」




「遅刻しても知らねぇからな

それと、
“いってらっしゃい”も言ってくれないんだ?


そんなことしていいのかな?
みーやびちゃん?」




「言う言う言う!!

ちょっと待って!すぐ行くから」




そう言って勢いよくベッドから
飛び起きるあたし



桜 雅になってから3ヶ月



忙しくて忙しくて
大変な毎日だった





まずはあたしの両親への挨拶



壱成が緊張しすぎて
前の日に寝込んじゃったこと


あのときは本当に心配だったけど

なんとか復活して
無事、承諾をもらえました!



『娘さんを僕にください』



あのときの壱成の横顔は
力強くて、一人前って感じがして…

今思い出しても涙が出てきそう





次は壱成のご両親に挨拶をしに行った


緊張しっぱなしだったけど



『雅ちゃん、壱成をよろしくね』



と言われたときは

今まで夢を見ている感覚だったのが
一気に現実となった気がして…


あたしの中で結婚ってことが
強く意識されるようになった瞬間だったな




それに壱成のお母さんとは
すぐに打ち解けて

今度、ショッピングに行く約束まで
しちゃった!


今まではこんなことなかったから
自分でもびっくり



そんな話をしているあたしたちを
壱成が目をまん丸にして見てたのは
言うまでもないよね




まだまだたくさんやることがあって…