Lost voice Ⅱ‐キミ ノ オト‐






張り詰めた空気も、ようやく緩む。





「…優輔。」





「え、なんだよアキ…ひっ」






暁くんに呼ばれ顔をあげた優兄は、小さく悲鳴をあげると一気に青ざめる。




これまでにないほどの怯えように、よほど怖い顔をしているらしい。





「まったく、お前は。その考えなしの頭をどうにかしろ」





「…はっ?いきなりなん…」





咄嗟に言い返そうとした優兄の頭を、ガシッと暁くんが鷲掴みにした。






「いっいてててててて!?」





「お前、わかってるのか。龍があんなことを聞いて、なにもしないとでも思ったのか?」





はっ、と優兄の顔がまた青ざめる。





「…柚。」





「え…、なに…?」





優兄を離し、ゆっくりと振り向いた暁くんの表情は、思い詰めていた。





「龍は、ああいうやつだ。今後、柚になにかしら接触してくるかもしれない。」




え…





「だから頼む、しばらく一人にならないで。もし絡まれても相手にしないで、すぐに俺を呼んで」






「え、でも……わかった。」







暁くんのすごく心配そうな顔に、私はなにも言えなくなった。






このときもまだ、私はわかっていなかった。





嵐が、すぐそこまでやってきているということに。






…あのとき、どうして私は。




私の取った選択のせいで、Rainが解散するだなんて…。