~翔吾Side~




俺はただ呆然と繁華街の真ん中に立ち尽くしていた




琴音が見たことのない顔で俺を睨んだ…



涙をいっぱい溜めて





ショックだった






でも純を最低と言われてカッとなった






琴音に「最低」という言葉を使ってほしくなかったから




誰かを罵ってほしくなかった






琴音にそんな言葉を吐かせたのは誰でもない俺





そんなに追い詰めてた




素直ぢゃないけど優しくて、いつも自分は二の次で人の幸せを考えてた琴音から聞きたくない言葉を吐かせたのは俺






純の気持ちに気付かずに琴音を不安にさせてたのも俺




純までも傷つけていたのは俺








全部、俺が悪い






『さっきの目…かなり堪えたなぁ…ちくしょ…』




俺の右目からは一筋の涙が零れた






琴音にあんな顔させたくなかったな





最低なのは俺だよ