あたしは涙を止められぬまま結衣の家に向かった




『おかえり♪…琴音?!どうしたの?!』


『結衣…あたし…もうダメだ…』


『琴音…おいで。体冷え切ってるよ?お風呂入ってきな!話は後で聞くから!ね?』


『ん…』






あたしがお風呂から上がると机にはホットミルクと修平と裕也がいた




『ごめん…迷惑かもって思ったけど心配で…』


『俺たちで力になれるかわからないけど…』



みんな…あたしのために来てくれたの?



『ありがとう…』




みんなの優しさにまた涙が溢れた




あたしは翔吾とのことを少しずつ話した




3人ともあたしの話をちゃんと聞いてくれたよね



嬉しかった。




『真由美先生に何かあったのかもしれないよ?』


『うん…でも翔吾は何も言わずに行っちゃった…真由美先生を選んだの』


『でも…ッ』



結衣の声に力が入ったのがわかった




『いつもなら許せたかもしれない…信じてたから。でも今日はあたしにとって大切な日で…翔吾もわかってたと思う。』




それでも真由美先生を選んだんだ



そう言うと結衣は悲しそうな顔をした




『翔吾のやつ…何やってんだよ!』



修平はあたしのために怒ってくれた



裕也は黙ってあたしの頭を撫でてくれた



結衣は一緒に泣いてくれた








嬉しかった






でも









何かが足りない







あたしから欠如している







翔吾の温かさ







もう感じることはないのかな?