「んだよこれ」

「ラブットちゃん。あたしが作ったんだよお」

「ふーん、いらね」

あたしが濱村にウサギを投げ返すと、それを器用にキャッチし、更に投げ返してきた。


あたしも負けじとそれをキャッチし投げ返し、しかしまた濱村がそれをキャッチして投げ返してきた。


最終的にそのやり取りはバドミントンみたいなスポーツに発展し、二人の息が切れる頃には、空が薄くオレンジ色になっていた。
 
不覚にも、いつのまにかあたしまで笑っていた。


「アハハハ、のぶちゃんなかなか手ごわいねぇ」


「ふんっ、だからいらねーっつってんだろ。負けを認めろ、このあほぅ」

あたしが荒々しくウサギを投げるとさすがに諦めたのか、濱村はもう投げ返してはこなくなった。


「じゃあさ」


濱村がすくっと立ち上がり、両手を大きく広げてくるくると回りだした。そして止まったかと思うと、手すりに掴まり学校中に響く大音量で叫んだ。


「あたしとお友達になってくださーい!」