もう一度

「調子のるなよ」
「えっ……?」

小さい声であんまり聞こえない

「調子乗るなって言ってんの!なに、ブサイクで地味なくせになんで勇くんと付き合ってんの?意味わかんない。お金で釣った?」
「は?」


いみがわからない。なんでわたしは彼女にここまでゆわれなきゃならないの?


「何か答えなさいよッ!!!!!」
さらに血相をかえた女は私を殴ろうと手を上げる


反射的にめをつむる私

ーガタッ……ー


なにか音がしてわたしも女も振り向く

するとそこには一人の男が立っていた

「桜くん………あのね、これは………」

おんなは青ざめた顔をして私から離れる


「修羅場なんだな」
「いや、………ちがうくて」
「なにが違うんだよ。俺のまえから消えろ」


そう言われた女は即座に逃げて行った

だれだろ………
あっ。お礼ゆわなきゃ!


「あの、ありがとうご、ございます!」
「別に………」
「あっはい。お礼とか……は………」


そう言って彼のほうを向くとかれはもう歩きだしていた

でも一度だけ振り向いてこう言った


「皆本とは別れたほうがいい………」


そう小さなこえで、でも力強く行った

それだけ言うと彼はゆっくりと背を向けて歩き出した