『……あかり。』 今度は後ろの方から陸が顔を出した。 今の聞いてたのかな……? 『あかり。ありがとう。好きだ。』 陸はそう言ってぎゅっと抱きしめてくれて、なんだかすごく温かくて安心したの。 でもこれって演技だよね…? 陸のお父さんを騙すための演技だよね? 『あの……』 ひゃっ! お父さんの声で我に返ったけど、ずっと陸に抱きしめられてたんだ私……。 『その、どうやら僕の命が危なかったみたいで、助けていただいてありがとうございます。一体、僕はどうなってしまっていたんですか?』