『…人工の物を使用しましょう。今、ちょうど父さんが研究している人工臓器を使って手術が成功すれば、論文も完成するはずです。』
そう話す陸はまるでベテランの医者みたいだった。
『はっはっは!大した息子だ!いいだろう。お前もここまで考えられるようになったのか。』
陸の答えに満足げに笑う委員長先生。
『父さん。その代わり、費用は我々で負担しましょう。』
『そんなに……大切な人なのか?』
委員長先生はそう言って私の目を真っ直ぐ見つめてくるもんだから、思わず目をそらした。
『はい。父さん、お願いします。』
『わかった。早速準備に取り掛かろう。』
委員長先生はそう言って足早に去って行った。
