『……もしもし?』 『あ、倉木さんの娘さんのお電話で間違いないでしょうか?』 『……はい。そうですけど?誰ですか?』 『こちらは宮瀬大学病院の者です。お父様の件でお電話を……』 『え……?』 そこからの記憶は曖昧で。 ただ、蓮二くんに連れられて大学病院まで急いだ。 『あかり、きっと大丈夫だから。心配すんなよ。』 蓮二くんはずっとそばでそう言って手を握り続けてくれた。