とけていく…

「去年会った時とノリが全然違うよ」

「え…、俺去年、そんなに感じ悪かった?」

 頭をかきながら、彼は焦り気味に聞き返した。すると、紫は深くうなずいたのだ。

「あの時、すでにお姉さんが亡くなってから一年経ってたってゆーのに、まだ全然心の傷が癒えてなかったもんね? みんなで心配してたんだ。だから誘ったんだよ」

 誘われた理由をさらりと明かされ、彼はしばらく言葉を発することができなかった。そこまで自分が周りに迷惑をかけていたとも知らず、今まであまりにも自分のことしか考えていなかったことに、心の奥がチクリと痛んだ。

「ん…、ありがとう」

 隣に座る紫に、涼は自然とそう口にしていた。過去のことを含め、後悔の渦に苛まれていたさっきまでの苛立ちを消化できたのは、間違いなく友達のおかげなのだと実感していたのだ。

 そんな少しだけ照れた彼の顔を見た紫は、すっくと立ち上がった。

「あれ、もう復活?」

 テレを隠すように涼は彼女に尋ねると、紫は両腕をあげて軽く拳を二、三度振り上げて見せた。

「まだまだ乗らなくっちゃね! 今日はとことん楽しまなくっちゃ!」
 元気を取り戻した紫は張り切った口調でそう言った。すると涼も立ち上がり一気にウーロン茶を飲み干した。

「よっし! 行こーぜ!」

 空き缶を近くのゴミ箱に捨てると、彼らは人ごみでごった返す園内に再び繰り出していった。