とけていく…

「雄介っていい奴よね〜。五〇〇円あげたら、聞いたこと、なーんでも教えてくれたよ〜」

 悪魔の微笑みで真紀は言う。

「…何すか、先輩、朝っぱらから」

 彼はあからさまにため息をつき、構わず歩き出した。それでも、真紀のどSな微笑みは変わず、彼の後をついて来る。

「由里さんは、涼くんの最愛のお姉さんだったのね」

 真紀の物言いが気に食わず、涼は彼女を横目で睨んだ。

「ねぇ、あたしってそんなに似てるの?」

「よく見たら、似てません」

(性格は、そっくりだけどな。)

「でも、見間違えて抱き付いてきたじゃない。」

「あれは…!」

 あれは、すごく逢いたいと思っていたから…

 喉まで出てきた言葉を、慌てて飲み込む。

「あれは?」

「…なんでもない」

 彼は口をつぐみ、だんまりを決め込む。

「涼くんは、シスコンなのね! お姉ちゃん、大好きだったのね」

 真紀は、そんな彼の頭を撫でてからかった。