けど、流石に可哀想。
何か、本当ごめん…。
口に出して謝る気は無いが…。
そして、乗り物は非常口と書かれた扉を抜けて、ようやく終わった。
罪悪感を感じながらの乗り物は…長く感じた。
「ハル、大丈夫か?」
乗り物を降り、ハルに手を貸してハルを降ろす。
ハルの顔は、涙が伝っている。
「怖かったよー」
そして…抱きついて来た。
いきなりの事に、ふらりとバランスが崩れるが、女に抱きつかれてこけるとかかっこ悪い事はしたくないので、ぐっと耐える。
「ボク、嫌だって言ったのにぃー」
抱きついたまま泣きじゃくるので、動けない。
動けなければ、その場を離れられないので、従業員に迷惑そうな顔をされる。
仕方なく、お姫様抱っこでハルを抱きかかえ、外に出た。
ベンチに座らせ、飲み物を手渡す。
辺りはもう暗い。
アトラクションは、もうすべて乗った…と思う。
だから、後は帰るだけ。
「落ち着いたら、帰るぞ」
ハルの頭を撫で、笑い掛けると不満気なハルが見上げて来た。
「ん?どうしたんだ?」
「まだ、全制覇してない」
不機嫌な声で、そうつぶやく。
「いや、でも全部乗ったはずじゃ…」
「ん!」
声と共に、右手の人差し指を遊園地の敷地内で一番高い所にある乗り物を指した。
「観覧車…!」
すっかり忘れていた。
この遊園地には…いや、どこもそうかもしれないが…カップルで観覧車に乗り、頂上でキスをしたカップルは、永遠に結ばれるという言い伝えがある。
古いってか?まぁ確かにそうだが、迷信なんてそんなもんだろ。

