並んでいる間、うわ言のように怖い怖いと繰り返すハル。
今の状態のハルがオレとしてはすっげえ怖い。
何だろう。
さっきまでは小動物のようにプルプルと震えて怖がっていたのに、身の危険を感じて、まるで呪いのように同じ言葉を繰り返すようになった。
進化?
いや、退化だな。
そんなハルを横に並ばせながら、順番をひたすら待った。
絶叫系マシンに並んでいる時は、ハルがずっと話したり聞いていてくれたりしていたから退屈しないで済んだのに、ハルがこの状態では、退屈で仕方ない。
それでもようやく順番が来た。
このお化け屋敷は客が歩くのではなく、椅子に座って見て行くタイプ。
ハルを椅子に座らせ、安全バーを下ろせば、ハルも覚悟を決めたようで、怖い怖いとは言わなくなった。
二人乗りなので、ハルの横に座り、オレも安全バーを下ろす。
ゆっくりと動く乗り物は、暗い建物内を進んで行く。
何でも、廃病院を模したお化け屋敷のようで、手術に失敗した怨念で幽霊になった患者や、医療ミスを疑われてクビになった看護師、死してなお患者を治そうと病院を徘徊する医者…。
白衣や手術着、看護師の服まで全てがことごとく真っ赤な血に染まっており、赤い服が不安を煽る。
オレでも少しは怖いと思った。
隣を見れば、ハルは目をぎゅっととじて耳を塞ぎ、身体を丸めている。
時折聞こえる幽霊たちの「ゔー…ぐぁー…」という呻き声に反応して、ハルはピクリと動く。
…可愛い!
すっげえ可愛い‼
けど、何と無く罪悪感。
こんなに怖がるとは…思ってたけど。
並んでいる時から可笑しかったから、まぁかなり怖がるだろうと思っていた。

