家に帰ると、母さんが玄関で仁王立ちしていた。
「美波!あんた、何で優明ちゃんを泣かしたの!ほんと、誰に似たんだか…好きな子には素直に言えないんだから」
いや、素直に、ストレートに、直球で…好きって何度も言いましたよ?
それに、誰に似たんだか…って、母さんも父さんも、好きな人には好きとストレートに言うから、誰にも似ることは出来ませんよ?
「俺だって、ちゃんと告白した。けど、全部あいつは俺が悪戯か巫山戯て言ってる、としか思ってないんだよ」
そう、まずはこの告白を本気で言っているのだと理解してもらわないといけないのだが…。
「…まぁ、あんた小さい頃から優明ちゃんのことばっかりだったし…仕方ないかねぇ」
…何だか、変に誤解されてるぞ?
母さんは、やれやれと言ってリビングの方に行ってしまった。
夜ご飯を食べるために、母さんを追いかけてリビングに入った。
夜ご飯を食べ終われば、後は風呂に入るぐらいで、特にやることは無い。
風呂に入ってしまい、本格的に何もやることがなくなってしまった。
携帯をチェックするが、誰からもきていない。
暇つぶしにテレビでも見るかと点けたが、見たいと思うものは何もやってなかった。
仕方なく、ベットに入ったが…数時間前、ゆうがここにいたと思うと、何だか変な気持ちになる。
目を瞑って、古いやり方だとは思いつつ…羊を数えて、眠りについた。

