「美波…どうだ?好きな奴が目の前で他の奴とキスするところを見るのは。これを、何度もやってたんだろ?」


確かにそうだが…目の前で…いや、俺もゆうの目の前でしかしてねぇ…。

いや、でも相手が俺の幼馴染…ゆうの友達とやった俺には言えねぇ…。

だが、タイミングが…いやいや…俺もいつも微妙だったなぁ…。

あぁ、くそぉ…。

やはりなにも言えないでいると、ゆうが声を出した。


「確かに、なみは!何と言うか…私の嫌なことばっかりするけど‼私が想ってるってことも全・然‼気付いてくれないけど‼でも、こんなことするなんて…燈のバカッ!」


…何とも傷つくフォローをどうもありがとう。

何でだろう…ちゃんとしたお礼が言えないのは…涙が出てくるのは…何でだろう。

「燈とは…もともと付き合ってるのとは言えない仲だったけど、もう別れる!なみと、また付き合うの!」

「…そんなこと言って、いいんだな…」


何かすっごく仄暗い目で、地の底から聞こえるような声で、ゆうに確認を取る。

こいつ…何がしたいんだ?