俺の自室に入り、ガチャリと音を立てて扉の鍵を閉めた。

音を立てたのは、ゆうにも俺が男だという危機感を持たせようと思ってしたことなのだが…とうの本人は、何も気付いていない様子。

「なぁ、ゆう。この状況、結構やべえってこと…気付かねーの?」

「何が?」

何と無く怒りを表したお顔で、何が?と言われました。

くそー、俺も健全な男子なんだが。

「何が?じゃねーよ。そこ、俺のベット。何が起こるか、予想は出来ねーの?」

実際のところ、何もやるつもりはございません。

ヤキモチをやかせて嫌われるのと、無理強いして嫌われるのでは、わけが違う。

だから、何もやるつもりは無い。まぁ、キスぐらいならしちゃうかもしれないが。

だけど、燈が帰って来た(多分)となれば、少しは男と意識させ、今の関係(俺の片思いの関係)を少しでも進めなければ危ない。

ゆうは、俺のことを幼馴染としてしか意識していない今は、非常にまずい。

「私、燈ちゃんと話してたじゃん。あんたが、無理やり連れてきたんでしょう!危機感とか、まぁ、それは…幼馴染相手に持つ必要ないし」

とうとう、怒りをあらわにするゆう。可愛いけど、今日は俺も少ーし苛立ってる。

何たって、燈にゆうが取られそうだから。

え?どっかの漫画みたいに、取られない自信は無いのかって?

あるわけねーし。

だから、細い細い関係を崩さない様にしつつ、俺のことを少しでも意識してもらえる様に色々やってるわけだし。

だけど、俺は焦ってしまった。

ドンッ

シングルのベットに、ゆうが倒れる。

何故、急にゆうが倒れたかって?

理由は簡単。

俺が、右手で押し倒したから。