体育祭も残すことクラス対抗リレーだけだ。



「ふー」



私、加藤真鈴は緊張のあまり胸がドキドキしてる。


え、何故かって?



それは…


クラス対抗リレーが私にとって大切なものだから。




「俺、一位なるからしっかり見てろよ!」



そう言ったのは、優しく微笑んでいる同じクラスの山田優太だ。



「ぅん」



「あの約束、絶対だかんな!」



少し照れながらはにかんだよう笑う彼は、とてもキラキラして見えた。



「一位…とれたらいいね?」



「もちろん、応援してくれるよな?」



私を見つめる瞳に吸い込まれそうになった。



「しないー!」



「え、してくれよー!じゃないと、やる気でねーし…」



しょんぼり肩を下げ落ち込む優太は、飼い主に叱られた犬みたいだ。