そう言って、俺の手を振りほどき、梨里は帰っていった。

梨里という大事な存在を手放すなんて、絶対にしたくない。

どうしたら、梨里に信じてもらえるのだろうか。

家に戻ったら、若奈はまだいた。

「いい加減帰れ」

「ねえ……あの時何で私のこと抱いたの?」

「……お前が言ったんだろ。いいから帰れ」

「また来るから」

そう言って帰っていった。

俺はこのまま、梨里を手放さなければならないのだろうか。