*太雅Side*

俺はまず、話しかけるところから始めようと思った。

朝、教室に入って、梨里を見つけたら、

「おはよ」

と言う。

「え!? お、おはよ……」

背の低い梨里が、急な挨拶に驚きながらも、上目遣いで挨拶を返してくれた。

やっべ、超可愛い///

挨拶だけから、急にデート誘うとか……調子よすぎるよな。。。


そんな俺に、超ラッキーなことが起きた。

「はい、みんな聞け」

担任の先生が、朝のHRで生徒に言った。

「校長先生からのお願いで、校長先生が明日から1ヶ月、出張というか、研修というかで、海外へ行って留守なんだ。 みんなは校長先生が、園芸をご趣味でやっているのは知っているだろ。 そこで、校長先生が留守の間、花や野菜の面倒を、是非2年に見てもらいたいというお願いがあった。 ボランティアやってくれるやついるか?」

「……」

だろうな。だりぃもん。

やるかよ、そんなこと。

「いないようだから、推薦で決めるぞ。 今日中に決めなきゃいけないんだ」

そう言って、裏紙を配り始めた。

「男女1人ずつ、名前書いてなー」

めんど。。。

俺は同じ班の地味な2人の名前を書いた。もちろんテキトー。

「学級委員、集計してくれ」

全部生徒任せか。 ちょっとはやってやれよ。

ここで文句いってもしゃーないか。

「集計、終わりました」

さすが優等生学級委員!仕事早え~。

「まず、男子は……」