家に帰って考えた。

私が浮気相手なら、私が身を引くべきじゃないの?

自分が浮気相手だったと思うたびに胸が痛くなる。

ただの遊びだったのかな。

私は、別れを告げた方がいいのかな。


―――次の日。

朱音にすべてを話した。

「うっわ~。ドロドロじゃん」

「そうかな」

「うん。で、梨里の意思はどこにあるの?」

「え?」

「別れたいの?それとも奪い取りたいの?」

「別れたくないけど……奪い取るって……」

「しかも、若奈だっけ?その人と出会ったのなんて、運命みたいな出会い方だったけど、それが向こうの狙いだったんじゃないの?」

「どういうこと?」

「いや、なんでもない。だから!梨里が決めなよ。どうするかは」


―――「これで君たちも進級だ!」

担任が朝のHRで言った。

今日で高2として登校するのは最後。

太雅とは1ヶ月会話もメールもしていない。

このまま、自然消滅なんて悲しすぎるな……。

帰りのHRが終了した。

「梨里」

太雅が話しかけてきた。

「な、何?」

ここできょどってしまう自分。

太雅との距離を感じてしまった。

「俺んち来ない?」

「えっ」

「嫌……かな」

「ううん。行く」

そう言って2人で太雅の家に向かった。

歩いている最中、何も会話はなかった。

それよりも、お互い離れて歩くその距離がもどかしかった。

「……お邪魔します」

「うん」

座って、と太雅に言われたので、ソファに座った。

「俺、梨里とやり直したい」

思いもよらないことを言われた。

「でも……!」

「ん?」

「私は浮気相手なんだよね?」