【今日はありがと♡梨里ちゃんのこと気にいっちゃった♪次、いつ会える?】

送り主は若奈さんだった。

若奈さん、悪い人じゃなさそうだしな~。

もう1回会ってみようかな。

【こちらこそ、楽しかったです!明後日どうですか?】

結局この間と同じケーキ屋さんで明後日会うことになった。


―――「梨里ちゃあん!こっちこっち!」

若奈さんは一足先に着いていたみたい。

「お待たせしてすみません」

「今来たばっかりよ」

「それならよかったです。あの……相談とは何でしょう?私みたいな子供に相談することなんてあるんでしょうか……」

「あるわ」

「はぁ……では、聞かせていただきます」

「私今、彼氏が居るの」

「若奈さんなら、いない方がおかしいですよね」

「でも、その彼が……」

若奈さんは涙交じりに話し始めた。

「浮気してるの」

「えっ!?」

「その彼、梨里ちゃんと同じ高校で……何か知ってるかな、と思って……」

「写真持ってますか?顔見たら分かるかも……」

こうやっていったのが間違いだった。

「これが私の彼」

見せてきた写真の顔は……太雅そっくりだった。

いや、太雅だった。

「……どうしたの梨里ちゃん?黙ってるけど……知ってるの?」

「わ、私の学校人数多いから、み、見たことあるかもしれないけどあんまり覚えてないっていうか……ごめんなさい」

「そう。ありがとう。でも、見ちゃったのよ」

「な、何をですか?」

「相手の女を」

「え……」

「後姿だけね」

「あ、」

ホッとしてる自分が居た。

えっ!?

てことは、本命が若奈さんで、私が浮気相手だったってこと?

行きなり過ぎて頭がついていかない……。

「背は小さめで、髪の毛は短くなく長くなく、っていう感じだったのよね」

私じゃん……。

「若奈さん、私今日用事があるんで、帰らせてもらいます。すみません」

私は1000円を置いて、逃げるように帰っていった。