*梨里Side*

最近は1人での下校が増えた。

朱音とあおくんの仲を邪魔したくないから、朱音とも帰れないし。

今日も1人。

今日は、ケーキ屋さんに行こうかな。

前に太雅とも行った駅前のケーキ屋……、いけないいけない!

太雅のこと、今は考えないって決めたから!

「いらっしゃいませ~」

ケーキ屋さんのお姉さんは、いつもと変わらないキラキラの笑顔だった。

ケーキバイキング30分コースを注文。

あっという間に30分は経過した。

私はドリンクバーのところに行った。

「わっっ!」

ビシャッと、私の制服に水がかかった。

「すみませんすみません」

そう謝ってきたのは、すっごく綺麗な女の人だった。

スタイルもいいし、いい匂いもする。

「大丈夫!?ごめんなさい!」

「あ、本当に大丈夫ですよ」

「いや、私が納得できない。あなた、ケーキバイキング食べに来たの?」

「はい……」

「おごるわ!」

「え!?そんな……本当にいいですから」

ちょっとしつこいなぁ……。

「お願い!おごらせて」

めんどくさくなってきちゃったから、

「じゃあ、すみませんがお言葉に甘えて……」

それから、いきなり会った女の人と急に友達になった。

ちゃっかり、メアドの交換もした。

「名前、なんて言うの?」

「北原梨里です」

「カワイイ名前♪私は相川(アイカワ)若奈」

「若奈さん……よろしくお願いします」

「うん♪私今ね、悩んでることがあって。梨里ちゃんになら話せそうだわ。また連絡してもいい?」

「はい、是非」

「じゃ、またねぇ」

そう言って、高いヒールの音を響かせて帰っていった。