「気持ち悪いっ!!触らないで!!」

思わず私は声をあげていた。

太雅は驚いた顔で私を見つめた。


*太雅Side*

「気持ち悪いっ!!触らないで!!」

梨里はマジなトーンで叫んでた。

俺……何してんだよ。

「ごめん」

俺は謝った。

他の女を抱いたってことカミングアウトして。

それなのに梨里を抱きたくて、無理矢理ヤろうとした。

「うぅぅ……」

梨里は泣き始めたが、泣きながら洋服を着て、「お邪魔しました」そう言って帰った。

「最低だ」

俺は思わずつぶやいた。

ホント、彼氏でいる資格ないよな。

はぁ……。


―――1時間後

♪ピロリン

誰かからメールが来た。

送り主は……梨里だった。

俺はメールを見るのが怖かった。

絶対、別れ話だから。

けど、見なきゃ何も起こらねぇ。

俺は深呼吸をしてからメールを見た。

【さっきは本当に本当にごめんなさい。あんなひどいことを口走っちゃった私に、太雅の彼女でいる資格なんてない。しばらく距離を置かせてほしい。本当に勝手なこと言ってごめんね】

何で梨里が謝るんだよ……。悪いのは明らかに俺だ。

実際、梨里が拾ったネックレスは若奈のだった。

最悪だ。俺はどこまで梨里を苦しめるんだろう。

【梨里は謝るな。俺が悪い。ホント、ごめん。俺も頭冷やしたい。だから、距離置こう。】

こんな返信しかできねぇ。

「あ゛~~~~~~~!!!!」

気付いたら叫んでた。

自分が悪いってことも分かっているのに。



*梨里Side*

どうしてあんなことを言ってしまったんだろう。

あんなにひどいこと……。

家に帰ってから、本当に後悔してる。

しばらく距離を置く。

その状況に私は耐えられるだろうか。