*梨里Side*

最近、明らかに太雅の様子がおかしい。

何かあったのかな?

私には何も相談してくれないし……。

自分から聞いてみようかな。

でも、それも迷惑かもしれないし……。

「朱音~!」

朱音に助けを求めよう。

「何?」

「最近太雅の様子が何かいつもと違うように思って」

「それで?」

「え、……と、何があったか聞くのってダメかな?」

「梨里が聞かないままで後悔するなら聞けばいいし、別に聞かなくてもいいって思うなら聞かなくてもいいんじゃない」

「……」

「どっち?」

「……き、聞きたい」

「あんたの意志は最初っから決まってんのよ。梨里、私や葵は梨里の味方だから」

「ありがと、朱音」

聞かなきゃ。

何も始まらないよね。


―――放課後

「梨里、帰るか」

太雅が声をかけてくれた。

「うん!」

そのあとは手を繋いで帰った。

「ねぇ、太雅」

「ん?」

「太雅のお家行ってもいい?」

「あ、うん」

「やった♪」

嬉しそうにしたけど、ちょっと緊張してる。

上手く聞けるかな、って。

「おじゃましまーす」

太雅の家に入った。