*太雅Side*

俺だけの解釈かもしれないけど、あれから梨里とは超上手くいってる。

あん時の梨里は可愛すぎて忘れらんねぇな。

すなわち、登下校はいつも一緒。

世に言うバカップルか?

「太雅!ごめん!今日進路相談私の番で……。先に帰ってて」

寂しそうに言う梨里。

「ん。分かった」

そう言いながら梨里のおでこにキスをする。

満足げに微笑む梨里は、俺にとってはすごく輝いて見える。

……そうか。そろそろ進路か。

間もなく俺たちは3年に進級しようとしている。

「太ちゃん?」

そんなことを考えながらボーっとして歩いていた。

「ねえ、太ちゃんでしょ?」



おそらく俺を呼んでいるだろう。

そう思って振り向くと……

「若奈(ワカナ)……」

昔からの付き合いの若奈が居た。