俺の鈍感彼女。

目を覚ますと、見覚えのない天井が見えた。

「……どこ?痛っ!」

起き上がろうとしたけど、みぞおちが相当入ったみたいですごく痛い。

「梨里。起きたか?」

「太雅くん……?」

「俺、梨里のことおんぶして、梨里の家に送ろうと思ったんだけど、話しかけても返事がなくて、見てみたら寝てたから。勝手に俺んち連れてきちゃった」

「そうなんだ……ごめんなさい」

「どうして黙ってた?」

「え?」

「何で、いじめられてたこと黙ってた?」

真剣に、まっすぐ私を見つめてくる太雅くん。

「実は……太雅くんの謹慎中からで。私もあおくんのことで色々あって。自分がこんなことされるの、マユミさんたちの言うとおり、自業自得だと思って……」

「だからって、嫌がらせされるのか?暴力ふるわれるのか?」

「それは……」

「俺に心配かけたくなかったから?」

「……」

黙ってしまった私の心の内を察すように、太雅くんは優しく私を抱きしめた。

「言ってくれない方が迷惑」

その言葉に、スーッと涙がこぼれた。

「……ぅん」

涙で上手く返事が出来なかったけど。

「俺が守るから。梨里のこと」

「……ありがと」

「だから何かあったら、言えよ?」

「……はい」

よし、と言いながら頭をポンポンなでてくれた。

いつも助けてもらってばっかりだね。


―――次の日。

もうマユミさんなんて怖くなくなった。

太雅くんが守ってくれるから。

まだお腹は痛いけど、大丈夫。

朱音も、「ごめん」って必死に謝ってきた。

謝ってほしかったわけじゃないけど、友情にヒビが入らなくて良かった。

その日、嫌がらせされることはなかった。

きっと太雅くんが守ってくれたんだ。