「痛った……」

「いい加減にしてよ!!私の気持ち軽く見ないで!!」

雄たけびを上げてるかのような声でマユミさんが私に言う。

そして、みぞおちをグーでパンチしてきた。

「ぅっっ」

思わず崩れ落ちた。

下からマユミさんたちを見ると、足が伸びてきた。

蹴られる!!

そう思って目をつぶった瞬間……

「おいっっ!!」

「太雅くん!?ち、違うの!!」

マユミさんが必死な声で言った。

太雅くん?来てくれたの?

「お前ら、梨里に何してくれてんだよ」

「た、太雅くんをこの女から守ろうと思って……」

「余計な御世話なんだよ!!!!」

太雅くんが怒鳴った。

「だって、この女……」

「マユミ、次こんなことしたら殺すからな。さっきから俺のため俺のためって言ってんけど、俺お前に守られたくねぇし。しかも、お前のことなんて眼中にねぇし。消えろよ!!」

そこまで言わなくても……!

そう言いたいけど、言葉が出ない。

「梨里、大丈夫か?」

「ぅ……」

問いかけられても声が出ない。

「死ね!」

「うわーーーん!!!」

太雅くんの言葉と同時にマユミさんが泣き始めた。

私は太雅くんにおんぶをされた。

しかし、そのあとの記憶がない……。