「太雅くんは、1年?」

「そうですよ。梨里……さんも1年ですよね」

「何で分かったの!?」

とても驚く梨里。

「だって、上履きの色見れば分かるでしょ? 学年で色も違うんだし」

「あ、そっか。 私ってホントバカ」

「ですね」

そうふざけて返事をすると、

「太雅くんったら、ひどーい!!」

梨里は、冗談ながらも、少し悔しそうで、なんか可愛い。

「で、梨里さんは何でここに?」

「えっとね、理科の実験でやけどしちゃって。 まぁ、軽いやけどだから、全然大丈夫だけど」

「そうなんですか。 お大事になさって下さい」

俺、敬語使っちゃってんよ。

我ながら笑ってしまう。

今までの俺だったら、すれ違い際に声をかけられる、年上のお姉さんたちをホテルに誘って鳴かせてきた。

こんなに純粋な梨里を見てると、そんな今までの俺が本当に汚らわしく思えてきた。


「梨里ちゃん、ごめんね、お待たせ」

そう言って保健の先生は戻り、俺らの手当てを行ってくれた。