ふと目を覚ますと、もう1時間以上たっていた。

梨里は寝息をスースー立てながらまだ気持ちよさそうに寝ている。

俺は梨里の頭をなで、おでこにそっとキスをした。

「んっ……」

やべ。起こしたかも。

「太雅、、く……」

寝言で俺の名前?

そんなに俺が好きか……(笑)

俺は梨里の唇にむさぼりついた。

「んっ!」

苦しそうにして梨里が起きた。

「ちょっと!」

梨里がびっくりして言う。

「だって、寝言で太雅くん♡なんて言ってたから」

「えっっ!」

「俺は、梨里の夢の中でどんなことされちゃったの??」

梨里をからかうのを楽しんでるな、俺。

「……意地悪」

「その拗ねた顔、かわいいだけだよ」

「うるさいよっ!」

そう言って、枕に顔をうずめる梨里。

「梨里?話してもらわないと、あの男のこと」

「あっ、そうだった」

可愛すぎ。

「あのね、」



―――

「で、一緒に住むことになった」

一通り話を聞き終わった俺は、本当のことを知って、梨里に申し訳なく思った。

「ごめんな、梨里」

「ううん。私、いつもボケーッとしてるし、忘れっぽいから太雅くんにいつ言おうか考えても忘れちゃって、なかなか言えなくて」

「てか、1番振りまわされてんのは梨里だな。母ちゃんにも、アイツにも」

「まぁね」

「……キスされたのは、今回だけか?」

「……そうだよ」

「そっか」

そのあと、少し気まずくなった。

「梨里、俺嫉妬深いから。ごめん」

「謝らないでよー。全部私が悪いよ」

「梨里はガードなさすぎだから、また同じことがないように気をつけろよ」

「はーい」

本当に分かってんのかよ?

「分かってる?」

「分かってるよ!」

「約束だぞ」

「うん♪」

そう言って触れるだけのキスをした。