「太雅くん……」

「梨里、こっち来い」

太雅くんは私の手を引っ張って走り出した。

掴まれた手が痛い。

そして保健室に入るなり、ベッドに私を押し倒した。



*太雅Side*

今日から学校に行ける。

やっと梨里も会える。

そう思った。

でも、あんな形で会うと思わなかった。

教室で同居している男とキスしてたからだ。

梨里が今までに聞いたことがない大声で「最低っ」と言い放ち、俺の目の前に現れた。

きっとなんかあったんだろう。

俺は、お仕置きを兼ねて保健室に連れ込んで押し倒した。

梨里はすでに泣いている。

「太雅くん、ごめ」

謝ろうとしていたのを唇で覆った。

さっきのキスを忘れさせるように、唇を味わった。

そして俺はキスをやめ、

「俺が居ない1週間で、他の男とデキてたのか?」

「違う」

梨里はまっすぐな瞳でそう言った。

俺は家にこもってるとき、竜星に梨里ちゃんの話を聞いてやれ。って言われた。

確かにこの間、梨里の話なんてこれっぽっちも聞いてなかった。

だから、今日はちゃんと聞こう。

「何があった?ちゃんと聞くから」

俺はそう言って、梨里を起こした。

梨里がさらに泣き始めたから、俺は横から梨里を抱きしめた。

そして落ち着くのをしばらく待った。

「たっいがく……んは、わたっいのこと好き?」

泣きながら聞いてくる。

わたいって何だよ(笑)私だろ(笑)

「好きじゃない」

「やっぱり……うぅぅ」

「好きじゃ言い表せないくらいに好き」

「え?」

「梨里が好きすぎてヤバい」

「うぇぇぇーん」

「おい、もう泣くなよ!」

「う、うれしっくて……」

「分かった。ちょっと休もう」

そう言って、1つのベッドに2人で寝た。

もちろん、梨里を抱きしめながら。

今日の授業はいいや。