次の日学校に行くと、私の下駄箱の中に、何通かの手紙が入っていた。

読んでみると、そこには『二股女』『死ね』『キモイ』そんなことばかりが書いてあった。

私は怖くなって、急いで教室へ走った。

教室のドアを開けると、

―――ガタン

チョークの粉まみれになった黒板消しが落ちてきた。

「あら、梨里」

女子のグループで、権力を持っている子がそう言った。

「こんな粉まみれになって……。でもそれ、自業自得って言うんだよ。いくら天然でぶりっ子アピールしたって、もう騙されないんだからね」

「……」

私は黙って席に着いた。

ジゴウジトク……。

ぶりっ子なのは、身に覚えはないけど、自業自得っていうのは分かってる。

私は頭の上のチョークの粉をはらった。

そして、朱音を探す。

「だーれを探してんの? あ、朱音?あの子、今日休みみたいよ。あと、太雅くんもいないしね」

「……」

「ガッキーにも色目使ってるらしいし」

「ガッキー……?」

誰??

「谷垣くん!」

「あ……あおくんか」

「みんな聞いた~?あおくんですって!!」

―――バンッ!

勢いよく教室のドアが開いた。

「ガッキー!おはよう!!」

そんな言葉を無視して、あおくんは私に

「梨里、白髪になってんぞ」

って笑みを含んで言ってきた。

「ガッキー、知ってた?この女、太雅くんとあなたに二股かけてるんですよー」

私は教室を飛び出て、保健室に行った。

ベッドを借りて、ずっと横になっていた。