*梨里Side*

次の日。

頑張って学校に行った。

朱音には、

「目、超腫れてるよ!?どうしたの!?」

ってすごく心配された。


昼休み。

竜星くんが屋上に私を呼んだ。

「梨里ちゃーん。今、男と同居してんだって?」

空を見ながら、竜星くんがそう言う。

「グスン」

また、涙が出て来てしまった。

「え!?」

竜星くんも驚いている。

「ごめん!泣かせるつもりは……」

「ちが……グス、ごめんなさい」

「梨里ちゃん」

竜星くんは、私の肩を持ち、向き合う形にした。

「見ないで」

私は、泣きはらした顔を見られたくなくて、思わずそう言った。

「泣きたいのは、太雅だって、同じだぜ」

「……」

「アイツがこんなにも人のこと大事にしたの、初めてだよ。最近は昨日までは幸せそうな顔、よくしてた。昨日また、昔のあの顔に戻っちまった。幸せそうな顔も、昔の顔にするのも、全部梨里ちゃんなんだよ」

「……」

私……、太雅くんにすごいひどいことしてたんだって改めて気付いた。

今まで、自分のこと好きとか嫌いとか考えたこと無かったけど、こんなにも自分が嫌になったのは初めてだ。

家についても、竜星くんが言ってたことが頭の中でリピートする。

私はベッドに横になった。

少し疲れていたせいか、眠ってしまった。

……誰かが私の髪触ってる。

太雅くんかな?

「ん……太雅くん……」

そう言って起きると、私の横に、あおくんが居た。

「あおくん!?」

「お前、寝言でも太雅くんって言ってたぞ」

「だって、夢の中で誰かに頭なでられたから、太雅くんかなー、って思っちゃって。ていうか、降りてよ!」

あおくんをベッドから突き落とした。