俺の鈍感彼女。

「じゃ、谷垣くんは、あそこの席で」

「はい」

先生が指さしたのは、俺の斜め前。

ふざけんなよ!

「あ、君。例の梨里の彼氏か」

話しかけてきたが、俺はシカト。

「無視しないでよ。仲良くしようよ。ライバルなんだからさ」

クソ。コイツ……。

「てめぇ!!!!ふざけんのもいい加減にしろよ!!!!」

俺は、この男に殴りかかった。

「おい!!太雅!!落ちつけよ!!」

竜星が止めに入ったが、そんなことどうでもいい。

「痛いなー。転校早々こんなことされるとは」

男が言うと、周りの女子が、

「ひどーい」

「太雅くんってあんな人だったんだ」

「やっぱ顔だけか」

そんな声ばかり聞こえた。

何にも知らねぇ癖に勝手なこと言いやがって。


―――その日から1週間、俺は謹慎することになった。

今のところは梨里に合わせる顔もないし、あの男にも会いたくないから、俺にとってはまあ、よかったのかもしれない。

梨里、今何やってんだろう。

俺がこんなどうしようもないことやってるときに。

梨里の顔見てぇよ。