*梨里Side*

最近、あの日のことを思い出してはニヤニヤしてしまう。

こんなに幸せでいいのかな?

そう思ってしまうくらい、私は太雅くんが好きみたいだ。

地球上には何十億人もの人がいる。

そんな中で太雅くんと出会うことができた。

神様!!本当にありがとう!!


―――数日後の休日。

「梨里~ちょっと来て~」

私は、2階のベッドの上でごろごろしながらスマホをいじっていた。

すると、下からお母さんが私を呼んだ。

「なーにー?」

そう言いながら、階段を降りて1階のリビングに向かった。

お母さんは「座って」と少し深刻そうな顔をしながら私に言った。

「え??なんかあったの?」

「いや、別に大した問題ではないんだけどね……」

「うん。何?」

「昔、仲良かった葵(アオイ)くんって覚えてる?」

「あー……うん」

葵くんは、簡単にいうと幼馴染。

生まれたときから小学校卒業にかけてまで、ずっと一緒だった。

弱くて泣き虫だった私をいつも助けてくれて、同い年なのにお兄ちゃんみたいに思ってた。

私は「あおくん!あおくん!」っていつもくっついてた。

でも、中学生になるときには、引っ越してしまった。

その時の寂しさったらなかった。

けど、もうあおくんばっか頼ってちゃだめだ!強くならなくちゃ!

って思えた時でもあったな……。

「あおくんがどうかしたの?」

「良かった。覚えてたのね。 あおくんの両親が、仕事で3ヶ月海外に出ちゃうらしいの。もう高校生だから1人暮らしもイイかな、って言ってらしたんだけど、私がどうしてもちっちゃいころから知ってるあおくんが心配で……」

「で……?」

「3ヶ月って、あっという間だと思うわ。 お父さんも、あおくん本人もイイって言ってくれた。 明後日からの3ヶ月、あおくんが私たちの家族の一員になります!」

「ふーん」

「同居することになるわね」

「へー……って!!!!同居~~~~!?!?」