「きゃっ」

気付けば梨里を床に押し付けていた。

「ごめん。俺、我慢できねー」

そして俺は梨里の唇に吸いつく。

最初はついばむようなキス。

けど、無理だ!!!

俺は舌を入れた。

梨里は慣れていないみたいで、でも必死に応じてくれてる。

「んっあっ」

梨里が熱い吐息を漏らす。

改めて、梨里への想いに気づいた。


*梨里Side*

頑張って、自分からキスしちゃった!///

そしたら太雅くんが押し倒してきて……。

で、今キスされてる!?!?

しかもこれって、ディープキス!?!?

どうしよー。したことない……。

だんだん頭がぼーっとしてきた。

「あっ」

何かに思いだしたように、太雅くんが唇を離した。

―――どうして離しちゃうの?

そう思ってしまった。

私、どうしちゃったんだろう。。。

「梨里、あのキモ男になんかされたか?」

キモ男??

あ、江頭くんか。

こんなことしてたから、すっかり忘れちゃってた。

「え、何にも。何にもされてない」

……ホントは胸触られたけど。

「ホントか?」

「……うん」

「ちゃんと言って。ホントに何もされてない?俺、もうキモ男に手出さねぇようにするから安心しろ」

そんな風に言われたら……。

「む……」

「む?」

「胸触られた……」

言っちゃった!!

「はぁぁぁぁ……あいつ。ぶっ殺す。俺だってまだ……」

「え?」

「いや、何でもない」

「江頭くん殴ったりしたらだめだよ。約束したんだからね」

「でもさすがに胸はないだろ」

「だめ。さっき約束したから」

「じゃぁ……」

そう言って太雅くんが私の方を向いて目を閉じている。

え????

何すればいいの?

「えと……私は何をすれば……」

「分かんないの?もう1回、梨里からキスしてよ」

「え。もう無理だよ」

「じゃ、明日キモ男はもうこの世に存在してねーな」

「そんなー……」

「はい」

はいって……。

よし。もうやるから!!!!

―――チュ

触れるだけのキスをして、離れようとしたら、太雅くんが私の後頭部を片手で押え、またキスしてきた。

舌絡めるやつ。

頭の芯が溶けちゃいそう……。

変な声出るし……。

でも。

今日太雅くんと過ごした時間は、ものすごく幸せだったよ。