重ねるだけの、優しい優しい、私にとってはファーストキスでした。


――――帰り道。

「今日は、最悪だったけど、最高の1日だったよ」

私は笑いながら言った。

「でも……ありがとう」

今思うこと。

ただ太雅くんが好きっていうこと。

「太雅くんがこんな風に思ってたなんて、全然分かんなかったよー」

「どんだけ鈍感なの?」

太雅くんは、鼻で笑った。

「俺はめちゃめちゃアピールしてたつもりだったけどね」

そーなんだ……。

すごい嬉しいな。

てことは……?

「ねぇ、私はもう、太雅くんの彼女ってこと?」

「そうだけど、嫌?」

笑って言い返してきた。

「嫌なわけないじゃん! むしろ、幸せ」

私たち、これからイイカップルになっていけるかな?


*太雅Side*

大好きな梨里と、晴れてカップルになることができた。

今日は、すげー嫌な思いさせちまったけど、その分、俺が梨里を守る。

……俺からは、簡単に離れられねぇぞ?笑