「お前、ホント変わらない性格の悪さだな。 もう俺の前には現れるな」

梨里をあんな風に言われて本当に腹が立ったから、もう我慢できずに、愛果にそう言ってしまった。まぁ、案の定、「は?」という顔をしている。

クソ女。

そう思って、俺はショッピングモールを飛び出し、ダッシュで梨里が向かった方向を追いかけた。


*梨里Side*

正直、大好きな太雅くんと釣り合うはずなんてないって、思ってる。

でも、太雅くんは私のこと嫌いでも優しくしてくれる。

だから、誘ってもらってすごく嬉しかった。

今日だけでも、夢を見たかった。

なのに……。

あの、真っ黒なギャルの方に、あんなこと言われて。。。

あれはキツいなぁ。

私は涙を流しながら、ショッピングモールからダッシュで最寄駅の方向へ走っていった。

この醜い姿、誰に見られたっていいや。

でもお願い。

太雅くんだけには見られませんように……。

そんなことを思いながらも、涙は自然と溢れてくる。

胸が締め付けられるように痛い。

私はただ悔しかったのかな?

それとも、ギャルに言われたことが最もだと感じたから?

私はまだ、必死に走っている。

すると――――

「梨里!」