向かった先は、最寄駅から15分ほど電車に揺られて着く、ショッピングモール。

新しく出来たところで、梨里が「行きたい!!」と言ってた場所だったから、来てみた。

「わぁ~。広~い」

「だな」

「私ね、あそこのお店の洋服大好きなの! 見に行ってもいい??」

ちょっと興奮気味で、でも上目遣いで聞いてくる梨里。

だーかーら!

何回可愛いと思わせれば気が済むんだよ!

「もちろん」

俺はそう言って、梨里の行きたい店に付いてった。

服を選ぶ梨里は、本当に楽しそう。

梨里が楽しんでくれれば、俺の今日のデートは最高なんだ。

AM 11時過ぎ。

「そろそろメシにする?」

と俺が問いかけた。

「うん!私ちょうどお腹空いてたの。 太雅くん、よく分かったねー! テレパシーで通じちゃった?」

「まぁね」

無邪気な梨里が、子供っぽく見えた。

俺たちはファーストフード店に入り、食事を済ませた。

「よし、またブラブラするか」

「そうだね」


――――このタイミングで言うんじゃなかったと、俺は後々後悔することになる。