俺の鈍感彼女。

*太雅Side*

「ありがとうございます。とても助かります」

校長に言われた。

放課後。

校長室前に梨里と行った。

そこで、園芸についての説明を受けた。

「花と野菜、毎日水やりをお願いします。 あと、野菜のなかでは――――」

最後の方は、あまり聞いてなかった。

梨里がまた隣にいると思うと、そっちに神経が行ってしまう。

「――――このくらい、ですかね。明日からお願いしますね」

そう言って校長は校長室に戻った。


そして、俺たちは、必然的に2人で帰ることになった。

少し沈黙がある中……。

「俺と2人になって、悪ぃな」

梨里は、本当は嫌なんじゃないか。そう思ってしまったから出た言葉だ。

「……そんなこと、言わないで。 私は嫌じゃないよ。むしろ嬉しいもん」

う、嬉しいだとーー!?!?

「そ、そっか。 なら、よかったけど」

おい、俺、上手く喋れてねぇよ。

「あ、あのさ……、」

俺は、勇気を出して梨里に伝えたいことを言った。