そんなこんなで、今私は病室にいる。
こんなところでぼーっとしていると、あの事件を思い出してしまう。
でも特に帰りたいとも思わない。
帰っても待ってる人もいないし、帰る理由もない。
むしろこっちの方が寝てれば三食もらえるのだから楽だ。
「…れいじ……」
どうしてるかな。元気かな。
刑務所で元気もなにも無いだろうけど。
玲二は、刑務所から出たらどうするんだろう。
一人で生きていくんだろうか。
また罪を重ねながら生きていくんだろうか。
そんなことを考え出すと、無限ループに陥り延々と玲二のことばかり考えてしまう。

