焦がれて



低く、暗い声が出る



私が誰を思っていようと田嶋くんには関係ない


そんな当たり前のことをまざまざと見せ付けられる


分かっていたはずなのに突きつけられた現実に心は付いて行かない



あたしが見てたのは、


あたしが見てたのは田嶋くんなのに




追いつかない心は、



「田嶋くん、見てたのに…」



私の意志とは別に、口を動かす



「…え?」


「あたし、田嶋くんのこと!ずっと…!」




田嶋くんの固まった表情を見て我に返る





何を、言ってるのだろう


こんなこと、言いたかったわけじゃないのに



こんな、


こんな困った顔、させたかったわけじゃないのに…


何でもないって


何でもないって言わなきゃいけないのはわかっているのに






何も、


なんにも出てこない