「なに、それ」
 

いつも明るい彼女の


初めて聞く暗い声に、戸惑う





「……、見てたのに、」



「え?」



ボソボソとつぶやかれる声は俺には届かなくて



聞き返したことを、後悔した







「あたし、田嶋くんのこと!ずっと…!」



戸惑いと悲しみに揺れるその表情



真っ赤でまっさらなその言葉




   
どれもが俺を締め付ける