焦がれて





「てか何で知ってるの?」


「トイレから出てくるの見たから、そうかなって」


「…何もなかったよ。ただ盗み聞きしちゃっただけ。」



そういって笑う彼女の頬には濡れた跡




「陸人と話せなかったんだ?」


「…うん」


「ちゃんと話せよ。それだけ言いにきた。」




帰ろうとすると笑は戸惑ったように顔を上げる


もう帰るの?そんな思いが伝わってくる瞳に吸い込まれそうになる





「…俺さ、」


「…うん?」



首をかしげる彼女の頬の涙の跡。この手でぬぐってやりたい。


だけど、俺の仕事じゃないから。








「お前のこと、すげー好きだった」






一つの恋に終わりを告げようと思う。