焦がれて





異常にうまいキスも、慣れた手つきも、言いなれた甘い言葉も。


今までも触れ合うたびその影たちに嫉妬していたはずなのに、その影が濃くなった途端更に汚く染まる。




「…他の子にも、こうしたの?」


「え…?」



間違ってる。過去は過去で、私だって人のこと言えないはずなのに。




「ごめっ、あたし。今だめ、みたい…。」


「何言って、」


「汚い、から。ごめん。保健室行ってくる」







戸惑う彼の腕を振りほどき、逃げるように廊下を蹴った




汚い私なんて、見られたくない